のし(熨斗)とは?水引との違いや使い分けのマナーについて解説!

贈り物などに包装する「のし(熨斗)」ですが、どのような場面で使うものかご存知ですか?使い方にもマナーがあるので、誤った使い方をしてしまうと恥ずかしい思いをしてしまうかもしれません。
今回は、贈り物やお金を包む際に使用するのしや水引の使い方やマナーを水引専門店が解説します。出産祝いや結婚内祝いなど場面によっても使い分けがあるので、用途に合わせた使い方をおさえましょう。
のし(熨斗)とは?
のしとは、贈答品に添える飾りのことです。本来は不老長寿の意味を持つアワビを乾燥させて薄く伸ばしたものを「のしあわび」として添えていました。現在では、紙で作られた縦長六角形の飾りを「のし飾り」として使用しています。
また、贈答品を包装するかけ紙に、のしを印刷したものを「のし紙」、お金を包むご祝儀袋にのしを印刷したものを「のし袋」といいます。現在では、「のし紙」や「のし袋」のことを「のし」と呼んでいる人が多いです。
のしと水引の違い
のし紙には、のしだけなく水引が印刷されているものが一般的です。のしと水引を混同してしまう人も多いですが、水引は和紙で作られた飾り紐です。のしと合わせて大切な人への贈り物に添えられてきました。現在でも、大切な贈り物や意味のある品を贈る場合は印刷ではない本来の水引をかけることがあります。
水引には、「未開封であることを証明する意味」「魔除けの意味」「人と人を結びつける意味」の3つの意味が込められています。
水引について詳しく知りたい人はこちらの記事を参考にしてください。
水引とは?意味や歴史、知っておきたい色や本数のルールを水引専門店が解説!
のし紙とかけ紙の違い
のし紙とかけ紙も混同してしまう人が多いですが、のしが印刷されていないものをかけ紙といいます。どちらも贈答品を包むのに使いますが、のし紙はお祝いごと(慶事)に、かけ紙はお悔やみごと(弔事)に使うという違いがあります。
のしは慶事にしか使えませんが、水引は慶事と弔事の両方で使えます。そのため、かけ紙には水引のみが印刷されています。弔事でのし紙を使うのはマナー違反なので間違わないように注意しましょう。
のし紙の構成
のし紙は、「のし」「水引」「表書き」「名前」の4つの要素で構成されています。まずは、それぞれが何を示すのかについて確認しましょう。
のし
のしは前述のとおり、紙で作られた縦長六角形の飾りのことです。もともとは縁起物のアワビがのしに使われてきたので、慶事にしか使えない特徴があります。
のしには、「片折のし」「宝づくし」「両折のし」の3つの種類があります。結婚式の場面では宝づくしが好まれるなどの使い分けはありますが、どれも一般的な慶事に使えるのでどれを選んでも失礼にはあたりません。
水引
水引は前述のとおり、和紙で作られた飾り紐のことで、のし袋には中央に印刷されています。水引には、「色」「本数」「結び方」に厳格なルールがあるので、間違ったものを選んでしまって失敗する人も多いです。
慶事は紅白の水引、弔事は黒白の水引が一般的で基本の本数は5本です。結び方は、一回きりのお祝いや繰り返して欲しくない結婚式やお見舞いの場面では「結び切り」や「あわじ結び」、何度繰り返してもよい出産祝いや昇進祝いなどは「蝶結び」を使います。
結び方の一覧やルールはこちらの記事で詳しく紹介しているので参考にしてください。
水引の結び方一覧 | 基本の蝶結びとあわじ結びからおしゃれなアレンジまで水引専門店が紹介!
表書き
表書きとは、贈り物の目的に関した記載のことです。すでに表書きが記載されたのし紙であれば、水引の上に書かれています。記載されていない場合は、筆ペンやサインペンで目的を記載しましょう。
一般的なお祝いであれば「御祝」、結婚のお祝いであれば「寿」が一般的です。贈り物の目的に応じて決まった書き方があるので、事前に書き方を確認しましょう。
名前
名前は、水引の下側に記載します。誰からの贈り物かわかるように忘れずに記載しましょう。個人で送る場合はフルネームのみですが、会社で送る場合は会社名や肩書を名前の横に小さく記載します。
複数人の連名で送る場合は、目上の人を右から順番に記載します。序列が関係ない場合は五十音順でも問題ありません。あまりに人数が多い場合は、「OO一同」などとまとめて記載することも可能です。
のし紙の種類と使い分け
前述したのし紙の構成の中でも特に「水引」と「表書き」については場面ごとに適したものが異なるので注意が必要です。今回は4つのシチュエーション別に適したのし紙の種類と使い分け方について紹介します。
結婚内祝い
【のしのルール】
通常ののし紙を使用して問題ありません。
【水引のルール】
結び方:結婚内祝いでは「結び切り」を使います。同じ内祝いでも出産の内祝いでは「結び切り」は使えないので注意しましょう。
水引の色:紅白の水引が一般的です。豪華な印象を与えたい場合は金銀や赤金の水引も使用できます。
水引の本数:10本が一般的です。贈り物の金額によっては7本の水引も使用できます。
【表書きのルール】
「寿」または「内祝」が一般的です。どちらを使用しても問題ありませんが、結婚式当日に引き出物として渡す場合は「寿」、後日送る場合は「内祝」と使い分ける人が多いです。
【名前のルール】
夫婦ふたりからの贈り物になるので、新郎新婦の連名で記載します。男性が右、女性が左にくるように記載しましょう。
出産祝い
【のしのルール】
通常ののし紙を使用して問題ありません。
【水引のルール】
結び方:出産祝いでは「蝶結び」を使います。何度繰り返してもよいお祝いでは「結び切り」を使わないように注意しましょう。
水引の色:紅白の水引を使用します。
水引の本数:5本が一般的です。相場よりも少額の品であれば3本、高額の品であれば7本の水引を使用します。
【表書きのルール】
出産祝いでは、「御祝」「御出産御祝」「御安産御祝」「祝御出産」が使えます。ただし、出産に関するお祝いでは4文字が死を連想させてしまうことがあるので配慮が必要です。
【名前のルール】
送り主の名前を記載します。
香典返し
【のしのルール】
弔事なのでのし紙は使えません。のしが印刷されていない「かけ紙」を選びましょう。
【水引のルール】
結び方:香典返しでは、「結び切り」や「あわじ結び」が使われます。
水引の色:黒白の水引が一般的です。西日本では黄白の水引を用いることもあります。
水引の本数:5本が一般的です。3本や7本の水引も使用できます。
【表書きのルール】
「志」が一般的です。宗派によっては「満中陰志」や「茶の子」が使えます。
【名前のルール】
喪家の姓を記載します。
香典袋の水引のルールを知りたい人はこちらの記事を参考にしてください。
香典の水引の選び方 | 双銀の水引の意味や結び方を水引専門店が解説!
お見舞い
【のしのルール】
のし紙は使えません。のしが印刷されていない「かけ紙」を選びましょう。
【水引のルール】
お見舞いでは「水引なし」でも問題ありません。水引を用いる場合は紅白5本の結び切りが一般的です。
【表書きのルール】
「御見舞」または「お見舞」が一般的です。「祈御全快」「御全快祈念」「ご回復祈念」なども使用できます。
【名前のルール】
送り主の名前を記載します。
「内のし」と「外のし」の違い
のしのかけ方には内のしと外のしがあります。どちらを使用しても失礼にはあたりませんが、状況によって使い分けができるとスマートです。
内のしは、のしを品物に直接かけて、その上から別の包装紙で包みます。一方で、包装紙で包んだ上からのしをかけるのが外のしです。内祝いでは内のしが好まれ、結婚祝いや出産祝いでは外のしが好まれる傾向があります。特に、多くの人からお祝いの品をもらうタイミングであれば誰からの贈り物か一目でわかる外のしの方が親切といえるでしょう。
水引アクセサリーは東京水引で!
東京水引は、東京目黒で生まれた創作水引のブランドです。東京水引では、のし紙やのし袋にかける水引を水引アクセサリーにして販売しています。
東京水引で販売されている水引アクセサリーやのし紙の水引は、東京目黒の店舗またはオンラインショップにてご購入いただけます。
東京水引の水引アクセサリー

東京水引の作品はすべて中村江美の監修により手づくりされた作品です。目黒不動前の実店舗では、代表アーティスト中村江美の手による、一点ものの作品ラインである【TOKYO MIZUHI By Emi】も豊富に取り揃えております。
水引アクセサリーの中でも特に人気なのが水引ピアスと水引の髪飾りです。細部の軽やかな美しさは、華やかな雰囲気を醸し出してくれます。通常のアクセサリーと比べて軽いので、装着の疲労感がないのも水引アクセサリーの魅力です。
また、水引は「人と人を結ぶ」という意味があり、縁起物として知られているので大切な人へのお土産にぴったりです。
どんな水引アクセサリーの種類があるか知りたい人はこちらの記事で紹介しているので参考にしてください。
水引アクセサリーの人気ランキングやおすすめの水引通販を専門店が紹介!
東京水引の店舗紹介

東京水引のアクセサリーは、東京目黒の店舗で実際に手にとってご覧頂けます。東急目黒線の不動前駅から徒歩7分の距離で、JR目黒駅からも徒歩圏内です。
オンラインでもご注文頂けますが、実物を見てから決めたい人は、東京目黒にある東京水引のギャラリーショップにぜひお越しください。お好みのアイテムを実際に触ったり、装着して頂くこともできます。
まとめ
今回は、贈り物やお金を包む際に使用するのしや水引の使い方やマナーについて紹介しました。のし紙は結婚内祝いや出産祝いなど多くの場面で使われますが、水引や表書きにはルールがあるので注意が必要です。インターネットでは、のしや水引が印刷された無料のテンプレートを配布しているところもありますが、使い分けには注意しましょう。
東京水引では、水引アクセサリーやのし紙の水引を販売しています。東京目黒の店舗やオンラインショップから購入できるので、ぜひチェックしてみてください。